たまに見ることがある盛り塩。不浄な気を取り払うのかなとなんと無くその効用に気づきますが、実は盛り塩には祓うとは逆の効果もあるようです。
これから引っ越しする方は新居で盛り塩をしてはいかがでしょうか。
盛り塩には大きく分けて二つの用途があります。一つは『人を招くため』もう一つは『浄化をするため』です。
人を招くとはどう言う事かと言うと、古来中国では、お偉いさんが街を牛車で回って牛が足を止めた家の女性と一夜を共にすると言う風習があり、ある女性は自分の家に止まって欲しいと玄関先に盛り塩を置きました。
すると牛車を押している牛はその盛り塩に関心が向きその家の前で立ち止まったのです。
諸説ありますが現在の日本の盛り塩の効能に由来している一説であり、縁担ぎや人寄せのための盛り塩などは当時の中国の風習から伝来したようです。
塩は腐る事が無く、腐敗を防止する効果があります。古代から食物の保存目的で使われて来ました。
神道には死を穢れとする考えがあり、この穢れを腐敗を遅らせる効果がある塩を用いる事で祓う事ができるとされて来たわけです。
現在でも古代の風習からほとんど変化が無く受け継がれている盛り塩ですが、引っ越し先などで盛り塩を設置する理由は『良い出会いを願う』と言う新生活に期待する面が強いです。
盛り塩に使う塩は家庭で使う食塩でも盛り塩専用として販売されている塩のどちらでも大丈夫ですが、出来るだけ綺麗な三角錐に盛りたいなら粗塩を使うと盛りやすいです。
設置場所は古代の中国の風習から習って玄関先に置くのが良いとされていますが、部屋の4隅に置くと結界を張ることが出来て安眠効果があるとされています。
注意すべき点としてはトイレに盛り塩を設置するのはやめましょう。トイレなどの水回りは悪い気が溜まりやすいとされており、その気を浄化する目的で盛り塩をすると言うのは本来の用途とはズレており、効果は望めないです。
盛り塩に明確な期限はありませんが、ずっと置いておくと汚れが目立ったりして玄関先で置いている場合はあまり良い印象は受けません。
よって綺麗な状態を保てる期間までが盛り塩を置いておく期限と言えます。使用済みの盛り塩はゴミとして処分したりキッチンでそのまま水で流すなどして処分します。