大型の家具の引越し作業はどれも難儀なものですが、取り分け仏壇の引越しは難しいものとなります。一般的な家具とは随分異なり、ただ運べば良いという代物ではありません。
今回は仏壇を引越しする際に必要な手順やそれに伴う費用や引越しを機に処分する場合の方法などもご紹介します。
仏壇は通常の家具と違い先祖を祀っている特別な存在であるため移動される際はお経をあげてもらう必要があります。
また、仏壇自体高価で重量や高さのあるものなので、新居の設置場所までスムーズに入ることが出来るか事前にサイズなど測っておきましょう。
始めに仏壇を引っ越しする際に必要な行いとして旧居から外へ出す際に必要な『魂抜き』と新居へ設置した際に呼び戻しとして『魂入れ』と呼ばれる供養をします。これは文字通りの行いで仏壇はお坊さんにより魂入れを行って初めて手を合わせる対象になります。
自分の家から外へ出す際は仏壇に宿っている魂を一度抜く事により『手を合わせる対象』から『モノ』へと変わります。
なを、家の中で配置換えする場合などはこれらの供養は必要無く、『家の外へ出す場合』に魂抜き、魂入れを行います。自分の敷地内でも家から出る場合は供養が必要です。
供養は引っ越し一ヶ月前から自分が属する宗派のお寺へ連絡して引っ越し一週間前には済ませておくと良いでしょう。
供養を済ませると引っ越し業者を探します。仏壇の引越しを専門とした引っ越し業者も存在するので、そちらを利用すると確実です。
移動距離や大きさなどより費用は大きく異なる場合があるので相見積もりをして適した業者を選びます。仏壇は通常の大型家具などと異なり美術品として扱う事が多いのでその分費用が高くなる傾向にあります。
仏壇の本体の梱包は引っ越し業者に任せて大丈夫ですが、『位牌』や『遺影』、『御本尊』など破損しては困るものは自身で梱包をしてダンボールに入れずに新居まで持っていきましょう。
新居まで無事に仏壇を引越しして仏間や安置に移動させたら魂入れを行います。基本的に引っ越しが完了した当日に行いますので、前もって新居先の地域のお寺へ連絡をしておきましょう。
仏壇の引越しに掛かる費用は運搬費用と『お布施』が掛かります。仏壇の引越し費用は2~3万円程ですがオプションなどがあり費用が上下しますので相見積もりが必須です。
お布施の相場は1~3万円と言われていますが、これは気持ちのものなので厳格にいくらというのは決まっていません。しかし『4』という数字は好まれないので4万円は避けましょう。
お布施を渡す際は直接渡すのは失礼に当たるので『切手盆』というお盆に乗せて渡します。切手盆は1000円程で売っているので、あらかじめ用意しておきましょう。
以上の事を踏まえて仏壇の引っ越しに掛かる費用は旧居と新居でのお布施代と仏壇の引越し費用が掛かるので少なくとも10万前後は見ておいたほうが良いです。
引越しを機に仏壇を処分する方法として『菩提寺』が挙げられます。菩提寺とは先祖代々のお墓や位牌を収めているお寺です。仏壇の処分の際は必要な供養や処分まで一貫して行ってくれるので確実と言えます。
他には仏壇の処分を専門とした業者や仏壇店へお願いする事です。仏壇の処分を専門としている業者は宅配で指定された場所へ仏壇を送ったり、処分しに来てくれます。
仏壇店は仏壇を買ったお店が好ましいのでそちらへ問い合わせて見ましょう。通常処分費用は5万円から8万円ほど掛かり比較的高いですが、処分を機に購入される場合は格安で処分してもらえます。
基本的に処分の場合は供養は事前に済ませてからになるので、処分を行う日より前もってお寺へ連絡しておきましょう。
仏壇を処分する場合は故人の大切な物が引き出しの中へ入っている場合があるので忘れずに取っておきましょう。